平成30年度補正のものづくり補助金の公募が
2019年2月18日から始まりました。

そこで、ものづくり補助金についてまとめてみたいと思います。



ものづくり補助金とは

ものづくり補助金とは、ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金といい、

『足腰の強い経済を構築するため、日本経済の屋台骨である中小企業・小規模事業者等が取り組む生産性向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等の一部を支援』する補助金となります。

補助対象者

補助対象者は、認定支援機関から支援を受けた、日本国内に本社及び実施場所を有する 中小企業・小規模事業者等でありますので、大企業や、いわゆるみなし大企業といわれる中小企業者は除外されます。

申請類型

申請類型として、 ものづくりに関する事業で申請する方は【ものづくり技術】、 サービスに関する事業で申請する方は【革新的サービ ス】があります。

さらに、【一般型】・【小規模型(設備投資のみ、試作開発等)】の事業類型と分かれており、補助上限額、補助率、対象経費等が各類型によって異なってきます。

【一般型】  1000万円  補助率1/2
【小規模型】 500万円  補助率1/2(小規模事業者は補助率2/3)

※生産性向上に資する専門家(スマートものづくり応援隊、ITコーディネータ等)の活用がある場合には、補助上限額に30万円の増額が可能。

 他にも、先端設備等導入計画や経営革新計画の認定を受けることで補助率が2/3となります。

要件

基本的な要件は以下となります。

  1. 他社との差別化、競争力を強化する内容を記載した事業計画書の作成と認定支援機関による確認
  2. 【革新的サービス】において、「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」で示された方法で行う革新的なサービスの創出・サービス提供プロセスの改善であり、3~5年計画で「付加価値額」年率3%及び「経常利益」年率1%の向上を達成する計画であること
  3. 【ものづくり技術】において、「中小ものづくり高度化法」に基づく、特定ものづくり基盤技術を活用した革新的な試作品開発・生産プロセスの改善を行い、3~5年計画で「付加価値額」年率3%及び「経常利益」年率1%の向上を達成する計画であること

    付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費
    経常利益=営業利益-営業外費用(支払利息・新株発行費等)

  4. 「一般型」・「小規模型(設備投資のみ)」は、設備投資において単価50万円(税抜き)以上の機械装置等を取得して納品・検収等を行い、 適切に管理をすること
  5. 「小規模型(試作開発等)」の場合には、「革新的サービス」及び「ものづくり技術」のいずれにおいても、成果物を作成すること

補助対象経費


機械装置費
① 専ら補助事業のために使用される機械・装置、工具・器具(測定工具・検査工具、電子計算機、デジタル複合機等)の購入、製作、借用に要する経費
② 専ら補助事業のために使用される専用ソフトウェアの購入、借用に要する経費
③ ①もしくは②と一体で行う、改良・修繕又は据付けに要する経費

※ 「機械装置費」のうち、機械装置等を取得するための経費として補助対象経費で単価50万円(税抜き)以上を計上する場合は「設備投資」という
※ 申請者が、専用ソフトウェアの構築を外注する場合には「機械装置費」に計上


技術導入費
本事業遂行のために必要な知的財産権等の導入に要する経費


専門家経費
本事業遂行のために必要な謝金や旅費として、依頼した専門家に支払われる経費

※ 認定支援機関や書類作成支援を行った専門家への報酬は含まれません


運搬費
運搬料、宅配・郵送料等に要する経費


クラウド利用費
クラウドコンピューティングの利用に関する経費

※ クラウド利用にかかる経費のうち、サーバーの領域を借りる費用(サーバーの物理的なディスク内のエリアを借入、リースを行う費用)、サーバー上のサービスを利用する費用等が補助対象経費
※ サーバー購入費・サーバー自体のレンタル費等は含まれません




以下は、小規模型「試作開発等」の事業類型のみに追加される対象経費

原材料費
試作品の開発に必要な原材料及び副資材の購入に要する経費

※ 購入する原材料等の数量は必要最小限度で、補助事業終了時点での未使用残存品は補助対象に含まれません


外注加工費(上限額は、委託費と合わせて補助対象経費総額(税抜き)1/2)
試作品の開発に必要な原材料等の再加工・設計及び分析・検査等を外注・依頼等(外注加工先の機器を使って自ら行う場合を含む)を行う場合に外注加工先への支払に要する経費

※ 機械装置等の製作を外注する場合は、「機械装置費」に計上すること
※ 外注加工費と委託費の合計額は、補助対象経費総額(税抜き)の1/2を上限とする



委託費(上限額は、外注加工費と合わせて補助対象経費総額(税抜き)1/2)
外部の機関に試作品等の開発の一部を委託する場合の経費

※ 外部とは、以下に掲げるものとする
●公的研究機関(独立行政法人等)
●国立大学法人、公立大学法人、私立大学法人、国公私立高等専門学校
●地方公共団体が設置する試験研究機関(地方独立行政法人を含む)
●財団法人、社団法人及び地方公共団体が出資を行っている法人等


知的財産権等関連経費(上限額は、補助対象経費総額(税抜き)1/3)
試作品等の開発、役務の開発・提供方法等と密接に関連し、試作品等の開発成果の事業化にあたり必要となる特許権等の知的財産権等の取得に要する弁理士の手続代行費用や外国特許出願のための翻訳料など知的財産権等取得に関連する経費

※ 以下の経費については含まれません

●日本の特許庁に納付される出願手数料等(出願料、審査請求料、特許料 等)
●拒絶査定に対する審判請求又は訴訟を行う場合に要する経費


申請方法

受付開始:2019年2月18日

第一次締切:2019年2月23日(土)〔消印有効〕

第二次締切:2019年5月8日(水) 〔消印有効〕

なんと、受付開始から第一次締切まで一週間もありませんでした!

これは、事前にしっかりと計画を立てて、ものづくり補助金の受付開始と同時に申請を考えている方、専用の締切ですね。

そのため、大半の方は第二次締切の5月8日(水)までに申請をする形になります。

また、申請方法については従来通りの郵送のみならず、電子申請が可能で『開始予定が2019年4月中下旬、応募申請期限は2019年5月10日(金)15時』となるそうです。

電子申請については、中小企業庁が開設した支援ポータルサイト、ミラサポで随時、情報が公開されるとのことでした。

申請先については、 補助事業の主たる実施場所に所在する地域事務局となり、東京都では東京都中小企業団体中央会となりますので、お気を付けください。

また、第一次締切で提出された申請書が、もし不採択となった場合には、そのまま第二次締切時の申請書と伴わせて審査対象となります。

そのため、第一次締切の申請書を取り下げたとしても、再度、第二次締切までに新しい申請書を提出することができませんので、申請書を提出するときは後戻りができないということを念頭に置いて、慎重に提出しましょう。



審査項目について

  1. 新製品・新技術・新サービスであり、既存技術の転用や隠れた価値の発掘(設計・デザイン、ア イデアの活用等を含む)をする革新的な開発となっているか。
  2. サービス・試作品等の開発における課題が明確になっており、補助事業の目標に対する達成度の考え方を明確に設定しているか。
  3. 課題の解決方法が明確かつ妥当であり、優位性が見込まれるか。
  4. 事業実施のための体制(人材、事務処理能力等)や最近の財務状況等から、補助事業を適切に遂行できると期待でき、また金融機関等からの十分な資金の調達が見込まれるか。
  5. 補助事業の成果が価格的・性能的に優位性や収益性を有し、かつ、事業化に至るまでの遂行方法及びスケジュールが妥当か。
  6. 他の企業のモデルとなるとともに、国の方針(「経済の好循環実現に向けた政労使の取組について」において示された、賃金上昇に資する取組みであるか等)と整合性を持ち、地域経済と雇用の支援につながることが期待できる計画であるか。
  7. 中小企業・小規模事業者の競争力強化につながる経営資源の蓄積(例えば、生産設備の改修・増強による能力強化)につながるものであるか。

上記は、要するに新しいサービスや商品の開発であって、補助金が採択されたときに、しっかりと資金面やスケジュールについて管理できますかということです。



加点項目

ものづくり補助金において採択されるためには、少しでも他の申請者よりも点数を稼いで採択に近づくことが重要ですので、この加点項目はできる限りこなしていきたいですね。

以下が加点項目となります。

  1. 平成30年12月21日の閣議決定後に、新たに先端設備等導入計画の認定を受けた企業(申請中を含む
  2. 有効な期間の経営力向上計画の認定を受けた企業(申請中を含む
  3. 有効な期間の経営革新計画の承認を受けた企業(申請中を含む
  4. 地域未来投資促進法の地域経済牽引事業計画の承認を取得した企業(申請中および、承認申請書中の共同 申請者である場合を含む)
  5. 総賃金の1%賃上げ等に取り組む企業
  6. 小規模型に応募する小規模企業者・小規模事業者または常時使用する従業員が20人以下の特定非営利活動法人
  7. 公募開始日1年前(平成30年2月19日)から応募申請日までの間に購入型クラウドファンディング等によって一定規模以上の支援金額を集めた企業

赤文字のところは注目すべき点ですね。

認定を受けなくとも、申請中であれば加点されるというところです。

また、総賃金の1%賃上げに取り組むというところも、要チェックですね。



このように、加点項目はライバルと差をつけられるものでありますので、是非ともトライしてみてください。



まとめ

補助金には、様々なルールがあります。

経費の用途であったり、補助期間中の支払いが必要であったり、後払いであったり、補助期間後5年間の報告義務があったりなど。

申請をするのも大変ですが、採択されてからも上記のように細かいルールがありますので、注意が必要です。

当所では、補助金申請のお手伝いを承っておりますので、是非ともご相談いただければと存じます。